株式会社ヤマトでは、NC旋盤を多数用いて精密部品を加工しています。
この記事では
・精密加工とは何か
・どのような精度で作られているのか
・どのような分野に使われているのか
このような内容でご紹介していきます。
精密加工とは
精密加工とは、非常に高い精度で部品や製品を加工する技術のことです。
私たちが加工する製品において求められる単位は
μ(ミクロン)=0.001mm(ミリメートルの1000分の1)です。
普段、あまり聞きなれない単位なので下に身近な物の大きさの例を挙げてみます。
ミジンコ | 1.5mm~5mm(1500μ~5000μ) |
紙 | 0.07mm(70μ) |
スギ花粉 | 0.03mm(30μ) |
ラップ | 0.01mm(10μ) |
PM2.5 | 0.0025mm(2.5μ) |
全ての製品で数ミクロンという精度は求められませんが、多くの場合は非常に精密な精度が求められます。
例えば、自動車のエンジンや航空機の部品などでは、ほんのわずかな誤差が性能や安全性に大きな影響を与えます。
こうした部品を作る際に、寸法の誤差を極限まで抑えるために行われるのが精密加工です。
弊社では、NC旋盤を用いて切削加工をすることで、精密な部品を加工しています。
精密加工の精度
■実際に用いられる例
製品の用途や形状によって様々な精度を求められます。
例)
Φ5.0±0.1mm
L=10.0±0.05mm
上記のように設計者によって公差(こうさ)、許容差(きょようさ)が設定されます。
■公差(こうさ)、許容差(きょようさ)とは
公差や許容差はほぼすべての製品において設定される、寸法の誤差が許される範囲のことを指します。
例)Φ5.0±0.1mmの場合
OK:Φ5.05mm Φ4.93mm
NG:Φ5.12mm Φ4.83mm
■検査方法
基本的には顕微鏡やマイクロメーター、ノギスを用いて寸法を検査、保証します。
弊社の顕微鏡やマイクロメーターでは0.001mmの精度で測定でき、ノギスでは0.01mmの精度で測定することができます。
加工品の実用例
精密加工された製品の多くは精密機器に組み込まれることが多いです。
■精密機器の定義
精密機器は、構造が複雑で高度な加工および組立技術を要し、精度や信頼性が高い動作を持った機器のことを指します。
■精密機器の主要技術
精密機器には多くのカテゴリーがあります。
一部代表的な分野を機器と共に紹介します。
医療機器
⚪︎MRI装置
⚪︎CTスキャナー
⚪︎心電図計(ECG)
⚪︎超音波診断装置
⚪︎血液分析装置
光学機器
⚪︎顕微鏡(光学顕微鏡、電子顕微鏡)
⚪︎望遠鏡
⚪︎カメラレンズ
⚪︎分光器
⚪︎光干渉計
計測機器
⚪︎電子天秤
⚪︎デジタルマルチメーター
⚪︎圧力計
⚪︎温度計(サーモメーター)
⚪︎加速度計
分析機器
⚪︎質量分析計
⚪︎ガスクロマトグラフ
⚪︎液体クロマトグラフ
⚪︎フーリエ変換赤外分光計(FTIR)
⚪︎X線回折装置(XRD)
半導体製造装置
⚪︎フォトリソグラフィー装置
⚪︎エッチング装置
⚪︎イオン注入装置
⚪︎化学気相成長装置(CVD)
⚪︎スパッタリング装置
航空宇宙機器
⚪︎慣性航法装置(INS)
⚪︎ジャイロスコープ
⚪︎航空機用高度計
⚪︎ドップラーレーダー
⚪︎衛星通信装置
その他にも、時計や、環境モニタリング機器、電気計測機器、画像処理機器、加工・製造装置、宇宙観測機器、気象観測機器 etc…
と上げきれないほどのカテゴリ・機器が存在します。
これらの多くの精密機器に私たちが加工する精密部品が使用されています。
■精密機器の主要技術
精密機器の主要技術とは、非常に高い精度と正確さを必要とする分野で使用される技術のことで以下は、精密機器において重要な技術の一部です。
⚪︎マイクロマシニング技術
微細な部品の製造に使用される技術で、レーザー加工や化学的なエッチングプロセスなどが含まれます。この技術は、センサーや微小な部品の製造に欠かせません。
⚪︎センサーテクノロジー
精密機器には、高精度な計測を行うためのセンサーが組み込まれています。これには、圧力センサー、温度センサー、加速度センサーなどが含まれ、これらのセンサーが正確なデータを提供します。
⚪︎ロボティクス技術
精密な動きを必要とする機器には、精密な制御が可能なロボット技術が必要です。これには、モーター制御技術やフィードバック制御技術が含まれます。
⚪︎ナノテクノロジー
ナノメートル単位の加工技術や材料技術は、精密機器において非常に重要です。ナノテクノロジーを用いて、さらに小型で高性能な部品やデバイスの開発が可能になります。
⚪︎光学技術
レンズやミラー、プリズムなどの光学部品を使用する技術で、高精度のイメージングや計測に使用されます。顕微鏡やカメラなど、多くの精密機器に欠かせません。
⚪︎計測技術
精度の測定を行うための技術で、レーザー干渉計や三次元測定機などが含まれます。
これにより、非常に細かい寸法や位置の測定が可能となります。
⚪︎表面処理技術
精密機器の部品の摩耗や腐食を防ぐために、非常に薄い膜を部品表面に形成する技術です。例として、コーティング技術やめっき技術などが挙げられます。
これらの技術は精密機器の製造と開発において欠かせない要素です。
それぞれの技術が相互に関連し合い高性能で信頼性の高い精密機器を作り上げるために、精度の高い精密加工技術が必要とされています。
精密部品を扱う上での注意点
精密部品は精密な寸法で作られているため、落下や衝撃などの外的影響によって使用ができなくなります。
運搬する際は、衝撃吸収材を使用したり、製品同士が干渉しないように工夫するとこが大切です。
また、製品を落下させると、角に傷がつきくことで膨れ上がり、寸法が外れてしまうので、非常に注意が必要です。
精密加工:まとめ
繰り返しになりますが、
精密加工とは、非常に高い精度で部品や製品を加工する技術のことです。
そして、私たちが加工する製品において求められる単位は
μ(ミクロン)=0.001mm(ミリメートルの1000分の1)です。
弊社では技術力のあるオペレーターが精度の高い製品を加工しています。
お見積もりや、加工依頼などお気軽にお問い合わせください。
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